あるべき味

イタリア・イギリス・ドイツ・日本でみつけた、どまんなかの味とへえー!を紹介

寒い寒いフィレンツェで大切に食べていた巣鴨アルルの「キャロブクッキー」

今週のお題「さむい」

 

フィレンツェで下宿をはじめたのは2月のあたま。

もこもこの帽子をかぶっても、ダウンのコートを着ても、石畳から足裏に伝わってくる冷気は防げない。札幌の人によると、フィレンツェのが寒いとのことで、それをきいたら覚悟が決まった気もする。

まだ来て数日のとき、郊外の自然食品のお店に向かっていたら、ちらちら雪が舞い始め、お店を出るころにはかなり降っていた。そんなときに地図をずっとみていられなくて、感覚で歩いていたら、いつのまにか地図から外れていて、随分と心細いおもいをしたものだ。雪がふると、そのときの気持ちを思い出す。

慣れない寒さは胃腸に来る。旅の疲れもあっただろうけれど、到着した日とか、夕食が食べられないときがたまにあって、そういうときは、大家さんがカモミールティーをのみなさいといって、それを飲んで早めに床に就いたものだった。

 

アパートはセントラルヒーティングになっていて、パイプの中を熱いお湯が通って部屋を暖めるしくみになっている。コインランドリーでまとめ洗いをするため、頻繁に洗濯ができなかったため、その熱いパイプの上にバスタオルを置いて、殺菌効果も狙って乾かしていた。

電気代の高いイタリアということもあって、大家さんは夜の早い時間にその暖房を切っていた。その分早めに寝るという方針のよう。語学学校からも、電気代が高いから、天井の電気は点けないように、といった指導があったくらいだ。

寒くなるという夜に暖房が切れると、デスクで勉強しようと思っても寒くて集中できない。

華奢なベッドの上で下半身を毛布であたため、上半身は起こしてダウンを着て勉強をしていた。それでも寒いので、寝っころがりながら教科書を読んでいて、いつの間にか寝てしまうというようなことがよくあった。

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外に買い物に行くとか、食べにいくとか、料理するとか、どうしてもしたくなくておなかがすいた夜は、ここぞというときのために備えていた日本から持ち込んだクッキーを大切に食べたものだった。

巣鴨の自然派パン屋「アルル」のキャロブクッキー。

キャロブは地中海のマメ科の植物で、ココアの代用にもなりえるよう。このクッキーは、ココアクッキーのように色が茶色いのだけどまったく甘くない。

最初食べたときは、きっと、鳥の餌でも食べているような気分になることと思う。ひさびさ食べると、最初の数秒はあまりおいしいと思わないくらい。

それでも堅焼きのこのクッキーを噛みしめていると、プルーンの酸味とか甘みとか、抽出されはじめる。このほんのり感が癖になって、手が止まらなくなる。

 

キャロブクッキー 通販 お取り寄せ - 焼き菓子 [個性パン創造 アルル]

 

基本的にランチは外食し、舌の経験を積もうというポリシーだった。割と味の濃いものが多いイタリアで、こんな素朴なクッキーが、体にも心にも滋養となって、まだイタリアに慣れない私を支えてくれていた。

 

この間巣鴨にいったときに1年ぶりくらいにこのクッキーを買った。翌朝朝食を食べに行く気がしなくて、これを食べて、朝ごはんがわりにしたのだけれど、まったく不満に感じなかった。

 

日本の中でも世界でみても、唯一無二と思われる個性派焼き菓子。

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