あるべき味

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イタリアでインロックの悲劇 その2

 トランクをガチャンと閉めた瞬間、終わった。。大変なことをしてしまった、と思う一方で、これで酔っぱらい運転で帰らなくて済むというほっとした気持ちを同時に感じてしまったのは否めない。

その後、みんなのもとに向かいながら、呑気にほっとしてる場合じゃない、これはえらいことになった、という気持ちがどんどん強くなっていく。

 

JAFのようなものを呼ぶか、と思い、店のスタッフに相談するも、日曜のこの時間はもうやっていないと言う。そんなばかな。。。

以前、やはりインロックした客がいて、ガラス窓をたたき割って鍵を取り出した人がいたが、1000ユーロ近く修理にかかったと。

下手なことをせず、今日は車を置いていって、明日にでも取りに来る方が結果的には安くあがっていいだろう、とのことだった。

 

それをきいて完全に酔いが覚め、青ざめた。今後人にどれだけ、迷惑をかけることになるかをおもってクラクラした。

被害状況を確認したところ、みな、車のなかにほとんどの荷物を入れていた。たとえば私は取り出した財布とカメラ以外のものすべてが車の中だったし、友人2人は家の鍵や携帯電話が鋼の扉のむこうにあった。

この2人は自分のアパートに入るのに、大家さんや同居人となんとか連絡をとって鍵を手に入れたり、ドアを開けてもらう必要が生じた。

私は間借りしている大家さんが不在で家に入れないので、家の鍵を手元に持っていた友人宅に泊めてもらうことになった。

明日車を取りに来るといっても、私は運転することができない。唯一国際免許証を持っている友人は、工房の仕事がある。そんななかで時間をつくってもらって、一緒にキャンティに来てもらわないといけない。

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帰り道のバスのなか、皆暗い気持ちになりながらも、申し訳なくて顔向けできない私を励ましてくれる。その夜行く予定だったコンチェルト(チケットは財布に入っていた)もせっかくだから行くべきだという。

 

こんな状況で行くなんて非常識、とても行っている場合じゃないと思ったが、あまりに落ち込みすぎているのもかえって迷惑かと思い、気分転換のためにもコンチェルトに向かった。

音に集中しようとするも、当然、身が入らない。また、なんとか聴いてみても、演奏がバラバラだった。

 

私はいったい何をやっているんだ、という暗澹たる気分で会場を出る。外は雨が降っているのがみえる。傘が手に入らず、諦めて雨の中に飛び出す。友人宅へバスで向かうべく、パンフレットを傘代わりに頭の上にかざしながら、バス停間を、ここでもない、あそこでもない、と探して走りまわる。びしょぬれで、惨めな思いが一層募る。

 

つづく。

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