イギリスの入国者管理を受け、濃厚接触者になる

英国 - 現地の様子

先週イギリスに入国した。

出発した国によって行動が変わる

イギリスでは、入国する人がその直前の10日間に滞在していた国を、コロナ的な安全度からグリーン、アンバー、レッドと信号システムで分けている。いずれも陰性証明の持参と所在地などのフォームでの報告は共通しているが、色によって入国後の行動が決まってくる。入国後の検査は自費。

グリーンは陰性証明を持参することと、入国後2日目の検査が必要だが隔離は不要。

レッドなら、入国した日を0日目として10日間政府指定ホテルで隔離。料金はなんと2,285ポンド(約35万円)で連れがいれば大人2人目は1,430ポンド(約22万円)の支払いが必要。料金には2日目、8日目の検査も含まれる。

日本はアンバーで、自身で確保した場所での自己隔離が必要になっている。もしイギリスやEUなどでワクチン2回の接種を完了していたら隔離は不要だが、日本での接種記録は認められていない。

検査は2日目と8日目に受ける。オプションで5日目のテストを買い、2日目と5日目がともに陰性なら、早期隔離終了が可能となっている。自己隔離先までは、公共交通機関での移動が可能。

アンバーの場合は基本的には外出不可だけれど、郵送でのテストキット発送や検査会場へ行くときは外出可能。できるだけ公共交通機関は避けるといったスタンス。

2021年10月4日以降、日本でワクチン接種が完了(2回目接種から2週間以上経過)している人は予防接種証明書を持参すれば、出国前のPCR検査、イギリス到着後の10日間隔離、day 8のPCR検査が不要になる。day 2もPCRでなく安価なラテラルフローの購入に変わるので注意!(2021.9.17) 

NHS(国民保険サービス)から電話

自己隔離を開始して2日目とされる日(到着の3日目)にNHSから電話がかかってきた。

10日間隔離に関するルールの説明があり、本人確認で生年、到着日、そして2日目の検査を行ったかといった質問があった。

電話は声がくぐもっている上に早口で、ゆっくり話してくれといったけれど変化なし。個人情報の管理の話が長くて聞いたことのない単語も続き、聞き取れなかったのでどうしたもんかと思っていたら、通訳を入れられるというのでお願いした。

検査結果の報告はどうするのか質問したら、購入した検査の番号をフォームに入力していて自動的に検査結果がNHSに行くので何もしなくていいとのこと。そして検査結果が陽性なら、連絡が行くということだった。

最後に、検査キットが届かなくてどうしようもないときは「119」、軽微なものでも症状が出たら「111」、重体なら「999」に電話するように言われた。

NHSからは到着日や8日目などにリマインダー的な内容のSMSが届いた。

次にこちらから問い合わせたときに複雑な状況だし間違ってはいけないからまた通訳の方に頼んだのだけど、いずれの回もは話し方がキレ気味でこわい人に当たって辛かったのと、やりとりに時間がかかるので、その後はお願いするのを止めた。

検査の会社を自分で選ばないといけないストレス

検査キットは政府指定の会社が439(2021年9月14日現在)もあり、ブリティッシュエアウェイズ(BA)で割引となるところを中心に(ある程度の信用もあると考え)システムや評判などを見て探したが、BAと提携しているところでも、検査キットが届かないとか結果が来ないとか悪い評判があるところもあった。

検査会場に出向くのか、郵送でのやりとりなのか、宅配業者が配達と引き取りにくるなどの選択肢がある。検査も家でセルフでやるのか、会場でセルフなのか、やってくれるのか(もあるはず)、家だけど監督する人が来るのかなど分かれる。結果が出る時間も遅いところと早いところがある。値段は本当にピンキリで£20~500といった具合。しかも高いからといってちゃんとした会社とも限らないという評判。選定するのにかなり時間がかかった。

郵送は配達に遅れが出ているのいうのを読んだし、会場から離れた宿にしてしまったので、2日目と8日目は宅配業者に来てもらい、5日目は会場に行くという合わせ技にして完璧だと思っていた。

濃厚接触の連絡

5日目のテストを予約し、早期隔離終了を狙っていたのだが、会場に向かう数時間前にNHSからメールとSMSが届く。濃厚接触者と特定されたという連絡。

ここで感染したかもしれないという恐怖と、早期隔離終了計画が潰れた絶望感を感じた。

フォームに情報を入力することで判明したのが、その濃厚接触は到着日に起こったとのこと。

おそらく機内の近い席に陽性になった人がいたのだろう。今回は感染対策で空いているフライトを狙って直行便を選んだのに、パラリンピックが終わって数日後だったから、イギリスやアイルランドなどの選手団で席は満席近かった(もっとパラリンピックから日を開けると、感染者数が激増していた日本がアンバーからレッドに変わる恐れがあった。オリパラ期間中は猶予になってもその後は容赦ない可能性があると考えての日にち選択だったが失敗した)。

空港のチェックインカウンターで選手団を見たとき、終わった。。。と思った。

機内では選手団の人々には知り合い同士が当然いっぱいいた。通路を隔てて隣になった人は、マスクなしで私の後ろの席の人に話しかけているし、食事時(マスクなし)に2~3人で会話をする人が多く、食事後も席を立って立食パーティーのように輪になって飲み会をしている人も。トイレ前のスペースではハグして騒いでいる人もいた。軽くお祭りムードで客室乗務員もノリノリだし、私のワクチンが効くことだけを祈り過ごした。

5日目のテストをキャンセルし、代わりに濃厚接触者としてNHSのPCR(無料)検査予約。15分後のスロットが取れたので急いで向かった。

検査会場の様子

検査会場はガード下に設けられたプレハブ施設で、ひっそりとしていたので通り過ぎてしまった。

暇そうな黒人スタッフが2人ほど。ラップでも歌いそうな服装の上にビブスを着けた若者だ。

検査予約のQRコードを見せる。持参が求められた身分証明書などは見せなかった。

医師や看護師が検査をしてくれると思ったら、セルフとのこと。もしも私がセルフ未経験だったらやってくれたようだが、2日目のテストがセルフだったので、経験者は自分でやるしかないとのことだった。

スタッフはやりかたを口頭で指示してくれつつ、スワブ(綿棒)を扁桃腺のところと鼻の奥に入れたのかをおそらく監視していたと思う。

検査キットの封を閉じ、出口近い窓口でスマホの予約画面のQRコードを読み取ってもらいつつ、ポストに検査キットを投函。所要時間は5分もかかっていない。

結果はおそらく翌日、最長3日以内と言われた。

そして翌日24時間を少し経過したころにメールとSMSが届き、陰性と判明。一安心した。

さらにその翌日、電話で体調について訊かれ、10日間隔離を徹底して欲しいことなど連絡を受けた。

NHSに問い合わせ

実は2日目の検査キットを宅配業者に取りに来てもらうことになっていたのだが、すっぽかされ続け、5日目になっても手元にあった。

朝7時から夜9時まで配達の可能性があるなかで、その日の午前中にならないと配達される2時間のスロットが分からない。自分の前にあと何件というのをウォッチすつつ窓から玄関を見張っていたが来ず、「来たけど不在だった」とか「不在だったのでコール番号を置いていった」というウソのメールが連日来ていた。

検査会社は翌日再配達の手配はしてくれても自分で催促しろと言うし、宅配業者のホームページを見ると「オペレーターがふさがっているのでまた数分後に」的なメッセージが朝から晩までずっと表示されたまま。困ってツイッターで連絡したら、配達員のGPSを調べてくれ、立ち寄っていないことが確定。トッププライオリティーで対処するといいつつ対処されず連絡取れず。。。

検査会社にもくりかえしメールし、電話し、宅配業者を使うのではなく検査会場にもっていくしかないと言って、そのように段取りしていたのだった。

しかし濃厚接触者判定が出てしまったので、その検査結果が陰性でも、検査会場まで公共交通機関等を使うのはNGに。日本でのワクチン接種がイギリスで認められていれば、隔離しないで済んだのに。

念のためNHSに問い合わせたところ、やはりそうだった。しかしこのスタッフが、言うことがブレブレ。アンバーの国から来た人のルールをまったく覚えていなくて、間違ったことばかり言うので失望。

最初に電話がかかってきたときのNHSスタッフはプロっぽかったけれど、このために雇われたパートの人が多いのかもしれないと思った。

この濃厚接触者の連絡はでたらめとも聞くし、NHSばかじゃねーの的なことを言っている人もいる。

事前に評判を調べて選んだはずの検査会社はしっかりグダグダだし、NHSもしっかりしていなくて、かなりがっかり。

日本のCOCOAのような接触アプリを入れさせられたし、今後日本のワクチンが認められていない限り、連絡が来るたびに隔離が続くのかと思うと気が重い。

自己隔離のハウツーはこちらのブログ「イギリスでノマドワーク」で紹介している。
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